英語が学べる専門学校の3つのタイプ|大学の外国語学部との違いと選び方
英語を使う仕事に就きたくて「英語 専門学校」で調べたら、英語科より「英語+観光」「英語+エアライン」ばかり出てきて戸惑った人へ。なぜそうなっているのか、大学の外国語学部と何が違うのか、あとから進路を変える余地はあるのかを、実在する学科名と制度の要件からまとめました。
英語を仕事にしたい。そう思って専門学校を調べ始めると、最初に戸惑うのが学科名だと思います。
「英語科」「総合英語学科」のように英語だけを掲げた学科もあるにはあります。
でも目に付くのは、「国際観光・通訳ガイド学科」「外国語・エアライン・ホテル」「英語ビジネス科」のように、英語と別の何かがくっついた名前のほうです。
Eduriaに登録している専門学校のうち、学科名に英語や外国語を含む28校を並べても、この傾向は変わりません。
英語を学びたいだけなのに、なぜ観光やエアラインがついてくるのか。自分の希望とずれている気がして、そこで手が止まる人もいると思います。
これは学校側の都合ではなく、専門学校という制度の性質から来ています。理由が分かると、どの学校を見ればいいかも見えてきます。
英語系の専門学校は3つのタイプに分かれる
学科名と対象者から整理すると、次の3つになります。
英語+サービス業(最も多い)
観光、ホテル、エアライン、ブライダルなどの職種と英語を組み合わせた課程です。「名古屋外語・ホテル・ブライダル専門学校」「トライデント外国語・エアライン・ホテル専門学校」のように、学校名の時点で組み合わせを示している例も多くあります。
通訳・翻訳の養成
「英語通訳翻訳科」「国際通訳ビジネス学科」など、通訳・翻訳の技能そのものを訓練する課程です。英語以外の言語(中国語、ベトナム語など)と組み合わせた医療通訳・ビジネス通訳のコースを置く学校もあります。
外国人留学生向けの課程
「日本語-英語ビジネススキルコース」のように、日本語を学ぶ外国人留学生を主な対象にした課程です。学科名だけでは日本人向けと見分けがつきにくいので、募集要項の出願資格を見ておくと安心です。
3つめは見落としやすいところです。
日本語教育を主軸にした専門学校が英語や他言語のコースを併設している場合、募集の対象が留学生に限られていることがあります。
学科名に「国際」「コミュニケーション」とあっても、日本人高校生が入れる課程とは限りません。
資料を取り寄せてから気づくと時間をロスするので、先に知っておくと無駄がありません。
なぜ「英語だけ」の学科が少ないのか
専門学校は職業教育の機関で、課程は卒業後の就職先から逆算して組まれます。ここが大学との大きな違いです。
英語ができることは、それ自体では職種になりません。
求人票に「英語ができる人」という職種は存在せず、あるのは「英語ができるホテルスタッフ」「英語ができる貿易事務」です。
就職まで2年で到達させる設計にすると、英語と職種スキルを同時に教える構成になります。
つまり「英語+観光」は妥協ではなく、2年で就職まで持っていくための必然です。英語を使って働きたいという希望とは、むしろよく噛み合っています。
一方で、英語そのものを深く学びたい、言語学や英米文学を研究したいという気持ちが強いなら、専門学校の設計はその目的と合っていません。
その場合の行き先は大学の外国語学部・英文学科です。どちらが上ということではなく、目的が違います。
大学の外国語学部と何が違うか
制度の側から見た違いを並べます。
| 専門学校 | 大学(外国語学部など) | |
| 修業年限 | 2年が中心(1〜4年) | 4年 |
| 修了時の称号 | 専門士(2年以上)/高度専門士(4年以上) | 学士 |
| その後の進学 | 専門士は大学への編入学、高度専門士は大学院へ | 大学院へ |
| 英語の教員免許 | 取得できない | 課程認定を受けた大学なら取得できる |
| 学びの重心 | 就職先の職種で使う英語と実務 | 語学に加えて言語学・文学・地域研究など |
専門士は、修業年限2年以上かつ総授業時数1,700単位時間(62単位)以上の課程。高度専門士は、4年以上かつ3,400単位時間(124単位)以上の課程です。
どちらも、文部科学大臣が指定したものを修了すると付与されます(文部科学省専門士・高度専門士の称号とは)。
進路の分岐としていちばん重いのは教員免許です。
中学校・高等学校の英語の教員免許(普通免許状)には、学士などの基礎資格が要ります。
それに加えて、文部科学大臣の課程認定を受けた大学で所定の単位を修得することが要件です(教育職員免許法第5条・別表第一)。
専門学校の課程では、この単位を修得できません。
英語の先生になる可能性を少しでも残しておきたいなら、ここは大学を選ぶ理由になります。逆に、その気がまったくないなら、この行は気にしなくて大丈夫です。
18歳で決めきれなくても、道は残っている
専門士を取得すれば大学に編入学できます。専門学校で2年学んでから大学の3年次に入る道が制度として用意されているので、「まず就職に近いところで学んで、必要になったら大学へ」という順序も成立します。専門学校を選んだら大学の道が閉じる、ということはありません。ただし編入試験の要項や単位認定の範囲は大学ごとに違うので、その可能性を残したいなら、入学前に受け入れ実績を聞いておくと確実です。
選択肢の数は大学のほうが多い
Eduriaに登録している公開校のうち、学科名に英語・外国語・英米・国際コミュニケーション・通訳のいずれかを含む学校を校種別に数えると、次のようになります。
英語系の学科をもつ学校の校種別内訳
Eduria登録校では大学が最も多く、専門学校がそれに次ぎます。
単位:校
大学
専門学校
短期大学
※Eduriaに登録があり公開されている学校のうち、学科名に「外国語」「英語」「英米」「国際コミュニケーション」「通訳」等を含む学校を集計(2026年7月時点)。全国のすべての学校を網羅した数値ではありません。
所在地には偏りがあって、この67校のうち28校が東京都に集中しています。通える範囲に何校あるかは地域によってかなり変わります。
「大学か専門学校か」という大きな二択で悩む前に、通学圏の学校を書き出してみると、話がぐっと具体的になります。
なお、専門士・高度専門士と学士の関係、編入学の仕組みは分野を問わず共通です。
同じ論点を情報系の進路で扱ったプログラマーになるには大学が必要?もあります。
好きを仕事にできる専門学校特集
分野や地域から専門学校を探して、複数校にまとめて資料請求できます。英語系の学科は「英語+何か」の組み合わせが学校ごとに違うので、募集要項を並べて比べるところから始められます。
資料請求は無料
無料で資料請求する英会話スクールは進路ではない
「語学学校」で調べると英会話スクールがたくさん出てきますが、これらは学校教育法上の学校ではありません。
Eduriaに登録している国内の語学関連の事業者167件を見ても、中身は変わりません。大人向けの英会話スクール、子ども向け英語教室、留学エージェント、オンライン教材が中心です。
つまり高校卒業後の進路として大学・専門学校と並べる対象ではなく、在学中や就職後に英語力を足すための手段です。
学歴にはならず、卒業しても称号は生じません。留学を考えている場合も、留学エージェントは手配を代行する事業者であって、進学先そのものではありません。
ここを混同したまま資料を集めると、比較がかみ合わなくなります。
高校生のうちに準備できること
英語系の進路を考えているなら、在学中に英検で級を取っておくと、大学入試での優遇と学習の指標を同時に手に入れられます。
総合型選抜や推薦入試で英検の級を出願要件・加点対象にする大学は多く、専門学校でも入学時の資格を評価する例があります。
進路がまだ決まっていなくても、この準備は無駄になりません。大学に行くにしても専門学校に行くにしても、持っていて損をしない材料です。
通信制高校に在籍しながら英語を伸ばしたい場合も、考え方は同じです。
通信制高校の課程そのものに英語の専門コースを置いている学校は限られます。
学校のカリキュラムに期待するより、英検やTOEICのような外部試験を目標に据えたほうが前に進みます。
通信制であることが不利になる場面は、この分野ではほとんどありません。
学校を見るときに気になるところ
出願資格が日本人高校卒業者に開かれているか
留学生を主な対象にした課程が混ざっています。募集要項の出願資格欄を最初に見ておくと、あとで時間を無駄にしません。
卒業生の就職先の職種
英語系の専門学校は職種とセットで設計されています。卒業生がホテル・空港・旅行会社・貿易事務のどこに進んでいるかで、その学校が実際に何を教えているかが分かります。
留学・研修が必修か選択か
海外研修を組み込む学校は多いのですが、必修か選択かで在学中の費用が変わります。必修の場合、渡航費が学費とは別にかかるかどうかは聞いておきたいところです。
編入学の実績があるか
専門士から大学に編入した卒業生が実際にいるかどうかは、その学校が編入指導のノウハウを持っているかの目安になります。
まとめ
- 3タイプある:英語+サービス業/通訳・翻訳/留学生向け
- 「英語+観光」は必然:2年で就職まで届かせる設計だから
- 教員を目指すなら大学:教員免許の単位は大学でしか取れない
- 専門学校でも道は閉じない:専門士を取れば大学に編入できる
- 英会話スクールは進路ではない:学歴にならない
次にやること — 気になる学校の募集要項で、出願資格の欄をまず見てください。日本人高校卒業者が対象かどうかは、そこにしか書いていません。
※この記事の学校数はEduriaの登録データ(2026年7月時点)に基づく集計で、全国のすべての学校を網羅したものではありません。専門士・高度専門士の要件は文部科学省の専門士・高度専門士の称号とは、教員免許の要件は教育職員免許法で確認できます。
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