海外大学の出願はいつから?国別の締切カレンダーと、3月卒業から逆算する準備期間
「海外進学は2年前から準備」と書かれていても、その2年がいつ始まるのかは書かれていません。アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの出願締切と入学月を並べ、日本の3月卒業から逆算した準備期間を整理しました。
海外進学の準備期間を調べると、「2年前から」「出願の18か月前から」という数字にたどり着きます。ただ、その数字を自分のカレンダーに書き込もうとすると、たいてい手が止まります。何年生の何月を起点にした2年なのかが、どこにも書いていないからです。
しかもこの起点は、志望する国によって1年近くずれます。アメリカ向けに組んだ準備計画をそのままオーストラリアに当てはめると、出願の時期も、入学する年も変わってしまいます。
ここでは主要5か国の出願締切と入学月を並べて、日本の高校を3月に卒業する前提で逆算していきます。
逆算の起点は「入学月」ではなく「出願締切」
海外大学の準備スケジュールがずれる原因は、入学月と出願締切のどちらも国ごとに違うことにあります。まず、その両方を1枚に並べます。
| 国 | 主な入学月 | 出願締切の目安 |
|---|---|---|
| アメリカ | 9月 | ED・EAは前年11月上旬〜中旬、RDは1月上旬 |
| イギリス | 9〜10月 | 1月中旬(2027年入学は2027年1月13日18時)。オックスフォード・ケンブリッジ・医学・歯学・獣医学は前年10月15日 |
| カナダ | 9月 | 前年10月ごろ出願開始。多くの大学が1月を提出期限に設定 |
| オーストラリア | 2月・7月 | 2月入学は前年11月末、7月入学は同年5月末(メルボルン大学の例) |
| ニュージーランド | 2月・7月 | 2月入学は前年5〜11月、7月入学は前年5月〜同年4月 |
出典: BestColleges「College Application Deadlines」、UCAS 2027 entry deadline、JASSO 大学・大学院留学(カナダ)、JASSO 大学・大学院留学(オーストラリア)、JASSO 大学・大学院留学(ニュージーランド)
同じ「9月入学」でも、アメリカのEarly Decisionは入学の約10か月前、イギリスのオックスブリッジは約1年前に締切が来ます。一方でオーストラリア・ニュージーランドは入学が2月と7月なので、そもそもカレンダーの形が違います。
「2年前から準備」という一般論が使いにくいのは、この差が均されてしまっているからだと思います。
情報が9月入学に偏って見える理由
日本語で海外大学の情報を探すと、出てくるのはほとんどが9月入学・秋出願を前提にした説明です。日本から進学先として紹介される大学が、秋入学の国に偏っていることが背景にあります。
Eduria登録の海外大学241校のうち、アメリカ・イギリス・カナダの大学
全体の82%Eduriaに登録されている海外大学の国別校数
単位:校
アメリカ
イギリス
カナダ
オーストラリア
ニュージーランド
※Eduria登録データ(2026年7月時点、海外大学241校のうち上位5か国)。語学学校は含まない。登録は日本向けに紹介されている大学が中心のため、各国の大学数そのものを表す数字ではない
秋入学の3か国で8割を超えるので、検索して最初に読む記事も、その前提で書かれている確率が高くなります。オーストラリア・ニュージーランドを視野に入れている場合、目にする情報のほとんどが自分のカレンダーと合っていないことになります。
日本の3月卒業と噛み合わない国がある
ここからが、締切表だけを見ていると見落とすところです。出願締切に間に合っても、日本の高校卒業では入学資格そのものが足りない国があります。
イギリスの場合、日本の高校卒業生は学部への直接入学が難しく、JASSOは「大学進学準備コースで、大学での授業についていくためのアカデミック英語とスタディスキルを身につける必要があります」と説明しています(出典: JASSO 大学・大学院留学(イギリス))。つまりUCASの1月締切に出願する前に、ファウンデーションコースの1年が挟まります。
オーストラリアも同様にファウンデーション経由が基本になります。オーストラリア留学センターが示すメルボルン大学のパスウェイでは、3〜4月に出願・入学手続き、3〜6月に学生ビザ取得、8月にファウンデーション開始、大学1年生になるのは翌年7月というスケジュールになっています(出典: オーストラリア留学センター「高校卒業後のオーストラリア大学進学スケジュール」)。
アメリカ・カナダ:3月卒業 → 9月入学
高校3年の秋から冬に出願し、3月に卒業、9月に入学。卒業から入学まで約半年空く。この期間に英語力を伸ばす、アルバイトで費用を作る、といった使い方をする人が多い。
イギリス:3月卒業 → ファウンデーション → 大学1年
高校卒業だけでは入学資格が足りないため、大学進学準備コースを挟む。ファウンデーション修了後に学部へ進むので、日本の同級生より学部入学が1年遅れる形になる。
オーストラリア:3月卒業 → 8月ファウンデーション → 翌年7月に大学1年
メルボルン大学のパスウェイの例では、卒業から大学1年生までおよそ1年4か月。出願と学費の支払いは卒業前後の3〜4月に来る。
高校を卒業してから進路を考え始めると、この1年が丸ごと後ろにずれます。準備期間の長さは「何を勉強するか」よりも、この構造で決まっている部分が大きいと思います。
国ごとの学費・生活費・卒業後の就労ビザまで含めた比較は大学留学はどの国がいい?アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド徹底比較にまとめています。
締切から逆算した準備の積み方
締切が決まると、そこから前に向かって作業が並びます。順番が入れ替わらない部分だけを取り出すと、次の形になります。
英語スコア(締切の3〜6か月前までに確定)
IELTS・TOEFLは受験から結果が出るまで日数がかかり、目標スコアに届かなければ再受験になる。1回で決まらない前提で、締切の半年前には1回目を受け終えている状態が動きやすい。
出願書類(締切の2〜3か月前から)
成績証明書の英文発行、推薦状の依頼、エッセイの執筆。推薦状は先生の作業時間が読めないため、依頼だけは早く出しておく。
出願・締切
アメリカはCommon App、イギリスはUCASと、国ごとに別のシステムを使う。締切は時刻まで指定されることがある(UCASは18時)。
合否発表(締切の1〜3か月後)
アメリカのEDは12月ごろ、RDは3月ごろが目安。オーストラリア・ニュージーランドは書類選考のみで、数週間で結果が出ることもある。
学生ビザ(入学の1〜3か月前)
イギリスの学生ビザはコース開始の6か月前から申請でき、国外からの申請では通常3週間以内に結果が出る。アメリカは面接からビザの発給まで通常1〜2週間。
出典: GOV.UK「Student visa: Apply」、成功する留学「アメリカ留学のビザ」
英語スコアには有効期限がある
TOEFL iBTのスコアは受験日から2年間有効で、それを過ぎるとETSはスコアを送付しません(出典: ETS「Getting Your TOEFL iBT Scores」)。IELTSも、第二言語の運用能力が時間とともに落ちる研究をもとに、2年を推奨上限としています(出典: IELTS「Getting and sharing your results」)。
早く取っておけば安心、とは言い切れないのがここです。高校1年で取ったスコアは、ファウンデーションを挟む進路では出願時に期限切れになっていることがあります。
留学ジャーナル
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調べた結果、志望する国の締切がすでに過ぎていた、という場合もあります。取れる道は3つです。
入学月が複数ある国に切り替える
オーストラリア・ニュージーランドは2月と7月に入学時期があり、9月入学を逃しても半年待ちで済むことがある
ファウンデーション・語学学校から入る
ファウンデーションは1月・2月・6月・7月・8月・9月など複数の開始月が設定されている学校が多く、締切の選択肢が本科より広い
日本の大学に進んでから海外に出る
交換留学・休学留学・編入・大学院進学という選択肢が残る。学部の4年間を使って準備できる分、英語力と資金の面では有利になる場合もある
3つ目については大学生から海外を目指す4つの方法で、費用とかかる年数を比べています。国内の大学に進んだ場合に留学しやすい学校の見分け方は留学できる学校の選び方にまとめました。
高校生の段階でのテスト対策・エッセイ・推薦状の進め方は高校生から海外大学に出願するには?学年別タイムライン、中学生からの高校選びは海外大学への進学、中学生のうちから準備することは?で解説しています。
海外の大学・語学学校は、Eduriaの海外の大学・語学学校一覧から国別に絞り込めます。
よくある質問
高校3年の夏から準備を始めて、翌年の9月入学に間に合いますか?
アメリカのRegular Decision(1月上旬締切)やカナダの1月締切であれば、日程の上では出願できます。ただし英語スコアを1回で決める前提になり、再受験の余裕はほとんどありません。イギリス・オーストラリアはファウンデーションを挟むため、そもそも同じ年の学部入学にはなりません。
オーストラリアの2月入学は、日本の3月卒業の直後に間に合いますか?
学部への直接入学は難しく、ファウンデーション経由が基本になります。オーストラリア留学センターが示すメルボルン大学の例では、3〜4月に出願・手続き、8月にファウンデーション開始、大学1年生は翌年7月からというスケジュールです。
英語スコアはいつ取るのが良いですか?
TOEFL・IELTSとも有効期間は2年が目安なので、出願の2年以内に収まる時期が対象になります。ファウンデーションを挟む進路では、本科出願の時点でスコアが期限切れになっていないかが分かれ目です。
出願締切は毎年同じ日ですか?
国・大学によって年ごとに動きます。UCASは2027年入学の締切を2027年1月13日18時(英国時間)としていますが、これは年度ごとに公表される日程です。志望校が決まった時点で、その大学の募集要項に載っている日付が最終的な基準になります。
まとめ
- 起点は締切:入学月ではなく出願締切から逆算する。同じ9月入学でも締切は10〜11か月前
- 国でカレンダーが違う:米加英は秋入学・冬締切、豪NZは2月と7月入学
- 入学資格の壁:イギリス・オーストラリアは日本の高校卒業だけでは足りず、ファウンデーション1年が挟まる
- 豪の実例:3月卒業 → 8月ファウンデーション開始 → 翌年7月に大学1年(約1年4か月)
- 期限は2つある:出願締切と、英語スコアの有効期間2年
次にやること — 志望する国を1つ決めて、その国の入学月をカレンダーに書き、そこから10か月前に線を引いてみてください。その線が今より手前にあるなら、狙う入学年をひとつ後ろにずらす判断が先に必要になります。
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