大学留学はどの国がいい?アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド徹底比較【2026年版】
「アメリカは高い、カナダは安い」という断片的な情報だけで留学先を決めかねている人へ。アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドを、学費・生活費・渡航費・キャンパスライフ・卒業後の就労ビザ・その後の進路まで並べて比較しました。
「アメリカは学費が高いと聞くけれど、カナダなら安いのだろうか」「イギリスの方が学位を早く取れるらしい」。
留学先を調べ始めると、国ごとの評判が次から次へと出てきます。英語ならイギリス、費用を抑えたいならカナダ、就職に強いのはアメリカ。
そういう整理を目にした人も多いはずです。
ただ、その整理はたいてい学費だけを見た話です。
学費の安さで選んだ国が、渡航費や生活費、卒業後にどれだけ現地で働けるかまで含めたときも「安い」「有利」とは限りません。
そこで、留学ジャーナル(留学エージェント大手)が公開する海外大学215校のデータに、航空券相場と各国の卒業後就労ビザ制度を突き合わせました。
比べたのはアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国。軸は学費・生活費・渡航費・キャンパスライフ・卒業後のキャリアです。
5カ国をひとことで
まず全体像から。5カ国はそれぞれ性格が異なり、「どれが一番いいか」ではなく「何を優先するか」で答えが変わります。
| 国 | ひとことで言うと |
|---|---|
| アメリカ | 学費の幅が最も大きい。私立大学は高額だが、コミュニティカレッジ経由の進学ルートもある |
| カナダ | 学費は北米の中では抑えめ。卒業後の就労許可(PGWP)が永住権につながりやすい制度設計 |
| イギリス | 学部が3年制で卒業が早い。専門性重視のカリキュラムで、寄り道の少ない学び方になる |
| オーストラリア | 学費・生活費は中程度。ワーキングホリデーとの組み合わせがしやすい |
| ニュージーランド | 5カ国の中では最も小規模。少人数制で留学生サポートが手厚いとされる大学が多い |
学費で比べる:同じ「留学」でも桁が変わる国もある
学費だけで見ると、5カ国の間には数倍の差があります。ただし国内での差も大きく、特にアメリカは大学の種類によって学費が3倍以上変わります。
| 国 | 学部授業料の目安(年間) | 具体例 |
|---|---|---|
| アメリカ | US$8,000〜60,000 | Harvard University(ケンブリッジ)US$52,659、San Diego State University(州立、サンディエゴ)US$20,016、Citrus College(コミュニティカレッジ、グレンドーラ)US$7,958 |
| カナダ | CA$16,000〜35,000(トップ校はCA$45,000〜60,000) | University of Manitoba(ウィニペグ)CA$16,300、University of Toronto(トロント)CA$60,510 |
| イギリス | UK£13,000〜21,000(ロンドンの難関校はUK£25,000〜37,000) | University of Stirling(スターリング)UK£13,100、Imperial College London(ロンドン)UK£36,700 |
| オーストラリア | AU$24,500〜38,000 | Monash University(メルボルン)AU$24,500、The University of Sydney(シドニー)AU$46,500 |
| ニュージーランド | NZ$21,920〜30,738 | Ara Institute of Canterbury(クライストチャーチ)NZ$21,920、University of Canterbury(クライストチャーチ)NZ$30,738 |
※留学ジャーナル掲載データより(2026年7月時点)。同じ国の中でも大学ごとの差が大きいため、あくまで目安の数字です。
アメリカの学費の幅がひときわ大きいのは、州立大学とコミュニティカレッジという選択肢があるからです。
コミュニティカレッジで2年学んでから4年制大学に編入する進路を取れば、私立大学に4年間通うより学費を大きく抑えられます。
「アメリカは高い」という一言で候補から外すと、この道も一緒に消えます。
カナダやイギリスにも学費の安い大学と難関校の差はありますが、アメリカほど極端ではありません。
生活費で比べる:都市部かどうかが学費以上に効く
生活費(滞在費)は、国よりも「都市部か地方か」の差の方が大きくなります。同じ国の中でも2倍以上の開きが出ることが珍しくありません。
| 国 | 生活費の目安(年間) | 具体例 |
|---|---|---|
| アメリカ | US$6,000〜20,000 | New York University(ニューヨーク)US$19,244、Skagit Valley College(地方、マウントバーノン)US$4,770 |
| カナダ | CA$7,400〜17,000 | University of Manitoba(ウィニペグ)CA$7,382、McGill University(モントリオール)CA$16,975 |
| イギリス | UK£4,300〜11,200 | Brunel University(ロンドン郊外)UK£4,310、University of Cambridge(ケンブリッジ)UK£11,230 |
| オーストラリア | AU$8,800〜24,800 | Curtin University(パース)AU$8,840、The University of New South Wales(シドニー)AU$24,778 |
| ニュージーランド | NZ$10,400〜17,480 | Ara Institute of Canterbury(クライストチャーチ)NZ$10,400、University of Canterbury(クライストチャーチ)NZ$17,480 |
※留学ジャーナル掲載データより(2026年7月時点)。
ニューヨークやロンドン、シドニーのような大都市キャンパスは生活費が高くなりやすいところです。
地方都市やキャンパスタウンの大学であれば、学費が同程度でも生活費を年間数十万円単位で抑えられることがあります。
学費表と生活費表を別々に見ていると順位を読み違えるので、志望校ごとに両方を足した「年間の総額」で並べたいところです。
渡航費で比べる:航空券は学費より値動きが激しい
学費や生活費は年単位の数字ですが、見落とされがちなのが日本からの往復航空券です。
時期による変動が大きく、繁忙期と閑散期で2倍近く差が出ることもあります。
東京発、主要都市への往復航空券の目安
単位:万円
アメリカ(ロサンゼルス)
カナダ(バンクーバー)
イギリス(ロンドン)
オーストラリア(シドニー)
ニュージーランド(オークランド)
※航空券比較サイト・各航空会社公式サイト調べ(2026年7月時点)の目安。夏休み・年末年始などの繁忙期はさらに上振れすることがあり、直行便か乗継便かでも大きく変わる
シドニー線が比較的安定して安いのは、乗継便の選択肢が多く競争が働きやすいためです。
一方でロサンゼルス線は繁忙期の直行便が高騰しやすく、時期によってはロンドン線やバンクーバー線と大差なくなることもあります。
入学や卒業のたびに帰省する前提なら、4年間で数回分の航空券がかかる計算になるので、渡航費も学費や生活費と並ぶ比較軸になります。
キャンパスライフ:何を求めて留学するかで最適な国が変わる
学費や生活費が同程度でも、大学生活で得られる経験は国によって傾向が異なります。以下は一般的に語られる傾向で、大学ごとの差も大きい部分です。
アメリカ:キャンパス中心の学生生活
寮生活やフラタニティ・ソロリティ、大学スポーツの応援文化など、キャンパスが生活の中心になりやすいとされる
カナダ:多国籍な環境と都市型キャンパス
移民国家としての多様性が学生層にも表れやすく、都市部の大学は生活とキャンパスの境界が緩やか
イギリス:3年制で専門性を早く深める
学部が3年制中心のため、幅広い教養より専攻分野を早くから深く学ぶカリキュラムになりやすい
オーストラリア:ワーキングホリデーと組み合わせやすい
留学とワーキングホリデーの制度を前後で組み合わせる人が多く、卒業前後で渡航形態を切り替えやすい
ニュージーランド:少人数制と自然環境
大学規模が比較的小さく、留学生一人あたりのサポートが手厚いと言われることが多い
卒業後の就労ビザ:制度は「入り口」に過ぎない
卒業後にどれだけ現地で働けるかは、留学先を選ぶうえで学費と並ぶ軸になります。
5カ国にはそれぞれ留学生向けの卒業後就労制度がありますが、対象や期間の決まり方は国ごとに違います。
| 国 | 制度名 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| アメリカ | OPT(Optional Practical Training) | 専攻分野に関連する職務で最大12ヶ月。STEM分野の学位であれば最大24ヶ月の延長が可能(合計最大36ヶ月) |
| カナダ | PGWP(Post-Graduation Work Permit) | 8ヶ月以上のプログラムを修了した留学生が対象。就労許可期間はプログラムの長さに連動し、8ヶ月〜3年 |
| イギリス | Graduate Route | 学部・修士卒業生は2年(2026年内に許可が下りた場合。2027年1月以降の申請は18ヶ月に短縮予定)、博士は3年 |
| オーストラリア | Temporary Graduate visa(subclass 485) | ストリーム・学位レベルにより異なる。2026年の制度改定後、学士号取得者の Post-Study Work stream は最大2年程度とされる |
| ニュージーランド | Post Study Work Visa | レベル7以上(学士・修士・博士)の卒業生は最大3年。2026年後半には新設の短期(最大6ヶ月)卒業生ビザも追加予定 |
アメリカのSTEM分野学位保持者が、OPTで働ける期間の上限(12ヶ月+24ヶ月延長)
OPT(アメリカ)出典:USCIS(U.S. Citizenship and Immigration Services)
ビザ制度は変更が頻繁にある
表の期間や対象は、2026年7月時点で確認できた情報にもとづく目安です。
イギリスのGraduate Routeは2027年1月から期間短縮が予定されており、オーストラリアのTemporary Graduate visaも2026年に年齢上限や英語要件が変更されたばかりです。
最終的な条件の根拠になるのは各国政府機関(アメリカ: USCIS、カナダ: IRCC/Canada.ca、イギリス: UK Home Office/gov.uk、オーストラリア: Department of Home Affairs、ニュージーランド: Immigration New Zealand)が公表する最新情報で、渡航年によって前提が変わります。
制度の対象や期間だけを見るとカナダとニュージーランドの就労可能期間が長く見えますが、これは「現地でどれだけ働けるか」の上限であって、実際に仕事が見つかるかどうかとは別の話です。
カナダのPGWPは永住権申請の要件(就労経験)を積む手段として使われることが多く、就労ビザの長さそのものが移民制度の設計と結びついている点で、他国とは性格が異なります。
その後の進路:大学院進学・現地就職・帰国後の評価
学費や就労ビザの制度と違い、大学院進学率や現地就職の難易度を国別の数値で語れるほど確度の高いデータは見当たりませんでした。
ここでは無理に数値化せず、傾向として語られていることを整理します。
大学院への進学のしやすさは、学部と大学院の接続制度がどれだけ整っているかに左右されます。
アメリカやイギリスは学部から大学院へ進学するパスが確立している大学が多く、同一大学内での進学(内部進学)を選ぶ学生も少なくないとされます。
オーストラリアやニュージーランドも大学院進学者は一定数いますが、学部卒業後にそのまま現地就職を選ぶ学生も多いと言われます。
現地就職の難易度は、就労ビザの取得しやすさだけでなく、業界や都市の求人量にも左右されます。
アメリカはITや金融がロサンゼルスやニューヨークなどの都市部に集中しており、OPTを使って専攻分野に近い職に就く学生が多くいます。
カナダは移民政策として留学生の定着を推進しており、PGWP取得後にそのまま永住権申請へ進む学生も一定数いるとされます。
イギリスはロンドンの金融やコンサルティング業界が留学生の就職先として語られることが多いものの、Graduate Routeには就労実績を積むための猶予という性格が強く、専門職ビザへの切り替えが別途要ります。
帰国後の評価には、構造上の事情があります。
日本企業の新卒一括採用は、多くが前年秋から翌春にかけての選考。一方、海外大学の卒業時期は5月、6月または12月が多い。
このずれがあるため、帰国後は通年採用枠や中途採用枠を使って就職活動をすることになりやすい形です。
これは能力の評価ではなく暦の問題なので、あらかじめ知っていれば慌てずに済む部分です。
外資系企業や商社、グローバル展開する企業では海外大学卒の語学力や異文化適応力が評価されやすいと言われる一方、業界や企業によって評価のされ方に差があるのも確かです。
アイルランドという選択肢
今回比較した5カ国のほかに、Eduriaに登録があるのはアイルランド(3校)です。
- Trinity College Dublin(ダブリン):EUR20,000〜27,000
- Dublin City University(ダブリン):EUR15,000
- University College Dublin(ダブリン):EUR19,200
学費はイギリスよりやや低めの水準にあります(留学ジャーナル掲載データより)。
ただしEduria上のデータが3校のみと薄く、5カ国と並べて詳しく比較できる材料が揃っていません。
候補に入れるなら、他の国以上に個別の大学情報や現地エージェントの情報が要ります。
留学ジャーナル
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はじめての留学に強いエージェント。国選びの段階から相談できるので、複数国で迷っている人ほど使い勝手がよい相談先です。
無料カウンセリングあり(オンライン可)
無料相談してみるなお、国を絞り込むと次に効いてくるのが出願時期です。アメリカ・カナダ・イギリスは9月入学の秋出願、オーストラリア・ニュージーランドは2月と7月入学と、カレンダーそのものが違います。日本の3月卒業から逆算した各国の締切は海外大学の出願はいつから?国別の締切カレンダーにまとめました。
よくある質問
学費だけで比べるならどの国が安い?
大学の種類次第ですが、コミュニティカレッジ経由のアメリカや、州立大学中心のカナダが学費を抑えやすい傾向にあります。ただし生活費や渡航費まで含めると順位が変わることがあるため、比べるなら志望校ごとの年間総額です。
卒業後もその国で働きたい場合、どの国が有利?
制度上の就労可能期間だけで見るとカナダやニュージーランドが長めですが、実際に働けるかは業界の求人量にも左右されます。カナダのPGWPは永住権取得の要件と結びついている点が特徴的で、長期的に現地に残りたい人にとっては制度設計上のメリットがあります。
1年制の修士(イギリス)と2年制の修士(アメリカなど)はどちらがいい?
学費や生活費の総額を抑えたいなら1年で修了できるイギリスの修士に分があります。一方、現地でのインターンシップや就労経験を積みたい場合は、在学期間が長い分だけ機会が増えるという考え方もできます。目的次第で判断が分かれる部分です。
ワーキングホリデーと留学、どちらを先にすべき?
オーストラリアやニュージーランドはワーキングホリデーと留学を組み合わせやすい制度になっています。学位取得を目的とするなら留学が先、まず現地の生活に慣れてから進学先を決めたいならワーキングホリデーが先、という選び方が一般的です。
まとめ
- 学費:振れ幅が最大なのはアメリカ。私立・州立・コミュニティカレッジで3倍以上違います
- 生活費:国より都市部か地方かの差が大きい。学費とセットで足して比べます
- 渡航費:繁忙期と閑散期で2倍近く動く。4年で数回分かかります
- 就労ビザ:カナダは永住権と地続き、イギリスは2027年から短縮予定
- 帰国後:日本の新卒スケジュールと卒業時期がずれるので、通年・中途採用枠が主戦場になります
次にやること — 候補の国を1つに絞る前に、志望校を3校選んで「授業料+生活費+往復航空券1回分」を同じ表に書き出してみてください。国単位の印象と、実際に払う金額の順位はしばしば入れ替わります。
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