理系に強くなる進路、SSH・科学オリンピック…7つの支援制度を学年別に整理
理科や数学が好きな子に学校の授業以外で何かさせたいと思って調べ始めたら、SSH・科学の甲子園・GSCと名前ばかり出てきて違いが分からない、という方へ。文部科学省の7つの制度を対象学年と参加方法で整理しました。
理科や数学が好きな子に、学校の授業以外で何かさせてあげられないか。
そう思って調べ始めると、「スーパーサイエンスハイスクール」「科学の甲子園」「グローバルサイエンスキャンパス」と名前ばかりが出てきます。
何が何なのか分からないまま、検索タブだけが増えていく。
しかも一部は制度統合で名前が変わっているため、ネット上には古い名称のまま書かれた情報も残っています。
調べているのに前に進んでいる気がしない原因は、たいていここにあります。
そこで、文部科学省が用意している制度を学校選びに関わるものと個人・チームで参加するものに分けて、対象学年ごとに整理しました。
学校選びに関わる制度:SSH(スーパーサイエンスハイスクール)
SSHは、理科・数学教育に力を入れる高校を文部科学省が指定する制度です。
2002年度に始まり、指定校は先進的な理数系カリキュラムの開発や、大学・研究機関と連携した専門的な教育に取り組んでいます。
専門的なカリキュラム
理科・数学に重点を置いた独自カリキュラムが組まれ、通常の高校より深いレベルの授業や実験・研究活動に取り組める。
大学との連携
大学の講義聴講や研究室体験、海外の高校・大学との連携による国際交流の機会がある指定校も多い。
進学面での接続
SSHでの活動歴は、志望理由書や探究活動の実績として総合型選抜・学校推薦型選抜でアピール材料になる。推薦入試や単位認定で連携している大学もある。
ここが他の6制度と決定的に違うところですが、SSHは学校が申請し文部科学省が指定する制度なので、生徒が個人で応募するものではありません。
関われるかどうかは志望校選びの段階で決まります。指定校であれば、どんな研究・カリキュラムに取り組んでいるかは学校説明会で聞ける話です。
探究学習に力を入れている学校の見分け方は、「探究学習」って大学入試にどう関係する?でも整理しています。
個人・チームで参加する制度:学年別に整理
SSH以外の制度は、在籍している学校を問わず、生徒本人(または学校を通じて)が応募・参加する仕組みです。対象学年で整理すると、次のようになります。
| 小学校高学年〜中学生 | STELLA(小中型) | 理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を対象に、大学・研究機関が実施する育成プログラム |
| 中学1・2年生 | 科学の甲子園ジュニア | 6人チームで科学的思考力・表現力を競う大会。教員を通じて都道府県教育委員会に申し込む |
| 高校生 | 科学の甲子園 | 科学の甲子園ジュニアの高校生版。チームで科学的な課題解決力を競う |
| 高校生 | 国際科学技術コンテスト(国際科学オリンピック) | 数学・化学・生物学・物理・情報・地学・地理など7科目で、日本代表として国際大会に派遣される個人選抜制のコンテスト |
| 高校生 | STELLA(高校型) | 大学の研究室に所属し、高校では学ばないレベルの講義や個人研究に取り組むプログラム |
| 女子中高生・保護者 | 女子中高生の理系進路選択支援プログラム | 理系分野への興味・関心を高めるセミナー・座談会・体験活動。保護者・教員も対象に含まれる |
「ジュニアドクター育成塾」「グローバルサイエンスキャンパス」を探している方へ
かつて別々の制度だった「ジュニアドクター育成塾」(小中学生向け)と「グローバルサイエンスキャンパス(GSC)」(高校生向け)は、2023年度(令和5年度)に発展的に統合され、現在は「STELLA(次世代科学技術チャレンジプログラム)」として実施されています。旧名称で検索して情報が古く感じたなら、制度が消えたわけではなく名前が変わっただけです。応募情報は「STELLA」で探すとたどり着けます。
それぞれの参加のしかたと向いている子
STELLA(小中型・高校型)
全国の大学・高等専門学校がそれぞれ独自のプログラムを実施しており、内容・応募方法は実施機関ごとに異なります。
個人研究のテーマ設定から始めたい子、大学の研究室での活動に関心がある子に向いています。
応募はQRコードやWebフォームからの申し込みが中心で、実施機関ごとに定員・選考の有無が異なります。
科学の甲子園/科学の甲子園ジュニア
個人の実力よりも、チームで協力して課題に取り組む力が問われる大会です。一人で黙々と探究するより、仲間と議論しながら進めるのが得意な子に向いています。
参加には学校の担当教員を通じた申し込みが必要なので、入り口は理科・数学の担当教員への相談になります。
国際科学技術コンテスト(国際科学オリンピック)
数学・化学・生物学など特定の科目を極めたい子向けの、個人選抜制のコンテストです。
国内予選(多くは化学グランプリのような科目別の大会)を勝ち抜いた上位者が代表選抜合宿に進み、そこから日本代表数名が選ばれるという狭き門です。
特定教科への強い関心・実力がある子に向いています。
女子中高生の理系進路選択支援プログラム
「理系に進みたいけど、周りに理系の女性が少なくてイメージが湧かない」という悩みに向けた制度です。
出張講義・サイエンスカフェ・実験体験などを通じて、理系に進んだ後のキャリアパスの多様さを知る機会を提供しています。
保護者・教員も対象に含まれるため、家庭で理系進路の情報が少ないと感じる場合の入り口にもなります。
よくある質問
SSH指定校でないと理系の研究活動はできない?
SSH指定校でなくても、STELLAや科学の甲子園など個人・チームで参加できる制度は在籍校を問わず応募できます。志望校がSSH指定校でない場合でも、これらの制度を併用することで理系分野の活動経験を積むことは可能です。
これらの活動は大学入試でどう評価される?
総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由書や面接で、活動内容・そこで得た学びを語る具体的な材料になります。総合型選抜全体の仕組みは総合型選抜(AO入試)の中身とは?で解説しています。
国際科学オリンピックはどのくらいのレベルの生徒が挑戦している?
国内の科目別大会(化学グランプリなど)を勝ち抜いた上位者が代表選抜に進む仕組みで、各科目とも国内トップクラスの実力を持つ生徒が挑戦する狭き門です。入り口としては、学校で案内される科目別のコンテスト・グランプリへの参加から始まるのが一般的です。
まとめ
- SSHだけ性質が違う:学校が指定される制度で、個人応募はできない
- 残り6制度:在籍校を問わず、本人または学校経由で応募できる
- 名前の混乱:ジュニアドクター育成塾・GSCは2023年度にSTELLAへ統合済み
- 向き不向きで選べる:チーム戦なら科学の甲子園、1教科を極めるなら科学オリンピック、個人研究ならSTELLA
- 女子中高生向け:保護者・教員も対象に含まれるプログラムがある
次にやること — お子さんが「一人で掘り下げるのが好き」か「仲間と議論するのが好き」かを1つだけ決めてみてください。それだけで7制度のうち候補は2つに絞れます。
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