Eduria学費・就職率で進路を比べる
ガイド約10分で読めます

J-SHINE・TESOL・TECSOLは仕事につながる?子どもに英語を教える道の調べ方

子どもに英語を教える仕事に興味を持って調べたら、J-SHINE・TESOL・TECSOLという資格が並んでいて、20万円以上かかるものもあって踏み切れない人へ。3つが何なのか、学校で教えるには何が必要なのか、働く場所ごとに求められるものが違う理由を、制度の側から整理しました。

#J-SHINE#TESOL#児童英語#英語#学び直し#資格

子どもに英語を教える仕事を調べていると、J-SHINE、TESOL、TECSOLという名前が並びます。

どのページにも「これからニーズが高まる」「世界で通用する」と書いてあって、悪い話は出てきません。

一方で、講座の費用は15万円から50万円ほど。安い買い物ではないので、そこで手が止まっている人もいると思います。

調べにくい理由ははっきりしていて、この3つを説明しているページのほとんどが、その講座を売っている側だからです。

ここでは制度の側から、学校や教室で英語を教えるのに何が必要とされているのかを整理しました。

先に確認したいこと:学校の先生になれる資格ではない

いちばん誤解されやすいところから書きます。

J-SHINE・TESOL・TECSOLはいずれも民間の認定で、これを取っても学校の正規の先生にはなれません。

日本の学校の先生は、学校の種類ごとの教員免許状が必要です(相当免許状主義)。小学校で英語の授業を担当しているのは、次のどちらかにあたる人です。

  • 小学校教諭の免許を持つ学級担任
  • 小学校教諭または中学校・高校の英語の免許を持つ専科教員

中学校・高校の英語の免許でも小学校の外国語を担当できる仕組みがあり、英語専科の教員はこの制度を使って配置されています(文部科学省教員免許状に関するQ&A)。

では免許のない人が学校で教えることはまったくできないかというと、そうでもありません。特別非常勤講師という制度があります。

特別非常勤講師とは

地域の人材や社会人を学校に迎え入れるための制度で、教員免許を持たない人でも「教科の領域の一部」を担任できます。文部科学省は例として、中学校「技術」のうちのプログラミングに関する内容を挙げています(学校における外部専門人材の活用について)。

任用するのは学校の設置者(市区町村や都道府県の教育委員会)で、個人が申請して得られる資格ではありません。「教科の一部」であって、学級を持つ正規の教員とは立場が違います。

つまり資格を取れば学校で働けるようになる、という順序ではありません。学校側に枠があって、そこに合う人が任用される、という順序です。

J-SHINEは「指導経験があること」の証明に近い

J-SHINEは、特定非営利活動法人小学校英語教育推進協議会が認定している民間資格です。取り方は次のようになっています。

1

登録団体の養成講座を受ける

J-SHINEの認定を受けた登録団体が開いている「指導者養成講座」を修了します。講座を提供しているのは民間のスクールや教材会社で、たとえばmpiのJ-SHINE小学校英語指導者認定コースは、6回の講座を2つ組み合わせる構成になっています。

2

団体の推薦を受けて出願する

修了後、その団体から推薦を受けて願書を出します。個人が直接J-SHINEに申し込む形ではありません。

3

指導経験50時間を満たす

正資格である「小学校英語指導者資格」には、指導時間50時間以上の実施経験があることと英語で授業が行えることが要件になっています(J-SHINE 指導者資格を取得したい方)。50時間に届いていない段階では準認定資格が出て、経験を積んでから書き換えます。

ここで分かるのは、J-SHINEが測っているのが知識よりも実際に子どもに教えた時間だということです。

50時間という要件は、裏を返せば「講座を受けただけの人と、現場に立った人を分ける」ための線引きになっています。

求人の側から見ると、この資格そのものが応募条件になっている例は多くありません。

ただ、指導経験がない人が「子どもに英語を教えた経験が50時間あります」と示せる材料にはなります。

未経験から入るときの入口として使われているのは、この部分です。

TESOLとTECSOLは、資格名というより分野の名前

ここがいちばん混乱しやすいところです。

TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)は、英語を母語としない人に英語を教える教授法のことで、特定の団体が1つの試験を実施しているわけではありません。

TECSOLはそのうち子ども向け(おおむね4歳から12歳)に特化したものを指します。

同じ「TESOL取得」でも、中身はこれだけ違います。

期間の目安内容
大学院の修士課程1〜2年第二言語習得の理論・研究・実習。学位が出る
大学・大学院の修了証コース数か月大学が出す証明書。単位が認められることもある
語学学校の短期コース4週間前後指導法とアクティビティが中心。留学とセットで販売されることが多い
オンライン講座数週間〜提供元も価格も幅が広い

履歴書に「TESOL」とだけ書いても、採用する側はどれなのか判断できません。

発行元と期間まで書かないと情報として伝わらない、というのが実務上の扱いです。

日本国内での知名度はまだ高くない一方で、海外の語学学校では応募条件に挙がることがあります。

この差は、日本で働きたいのか海外で働きたいのかで、選ぶものが変わることを意味します。

働く場所ごとに、求められるものが違う

3つの資格を「役に立つか立たないか」で並べても答えは出ません。どこで働きたいかを先に決めると、必要なものが決まります。

必要なもの3つの資格の位置づけ
公立小学校の学級担任小学校教諭免許免許の代わりにはならない
小学校の英語専科教員小学校教諭免許または中学・高校の英語免許免許の代わりにはならない
学校の授業の一部を担当教育委員会による特別非常勤講師の任用指導経験の証明として見られることがある
ALT(外国語指導助手)自治体・派遣会社ごとの条件条件は募集要項による
民間の子ども英語教室各社の採用基準J-SHINEが評価される場面がある
プリスクール・インター系英語力と指導経験TESOL系が見られることがある
海外の語学学校英語力とTESOL系の修了応募条件になることがある

この表で言いたいのは、上の2つ(正規の教員)には資格が届かない、ということです。そこを目指すなら教員免許を取る道になります。

一方、下の5つでは、資格そのものより「実際に教えた経験があるか」を見られることが多く、J-SHINEの50時間要件はその経験づくりとセットになっています。

学校の先生を目指すルートについては、英語が学べる専門学校の3つのタイプで、専門学校では英語の教員免許が取れないという制度の話を扱っています。

外国人講師と競合するのか

日本人が子どもに英語を教えるとき、「ネイティブの先生には勝てないのでは」という心配がついて回ります。ここは学校の中と外で答えが変わります。

学校の中では、役割が制度として分かれています。文部科学省が示している小学校外国語の指導体制では、それぞれの立場がこう位置づけられています。

ALT(外国語指導助手)学級担任を英語面でサポート。生きた英語の提供、児童のコミュニケーション意欲や学習意欲の向上
専科教員学級担任に代わって授業を実施。授業準備やALTとの打合せを担当
学級担任児童理解や学習集団づくり、他教科との効果的な連携、児童のコミュニケーションのモデル

ALTは学級担任とのティーム・ティーチングが前提で、授業を組み立てて進める側ではありません(文部科学省小学校外国語教育の指導体制)。

同じ資料では、地域人材の例として卒業生の保護者、退職教職員、教員志望の大学生が挙げられています。

つまり学校に入る場合、隣に並ぶのは外国人講師ではなく、教員免許を持つ人や地域の人材です。競っている軸が違います。

一方、民間の子ども英語教室やプリスクールでは、外国人講師と同じ求人枠に並びます。

ここは正面から比べられる場所で、日本語で文法や学習の進め方を説明できること、保護者に子どもの状況を伝えられること、学習の記録を残して設計できることが、日本人講師側の材料になります。

J-SHINEの50時間要件が効いてくるのも、この領域です。

日本で学べる場所はあるか

海外に行かないと取れないと思われがちですが、3つとも国内で学べます。ただし探し方が違います。

J-SHINEは、認定を受けた登録団体が全国で講座を開く仕組みです。どの団体が認定されているかはJ-SHINEの公式サイトで公開されていて、登録団体の検索ページから、キーワードや「講座を受けられる地域」で絞り込めます。通学のスクールと、オンラインで完結する講座の両方があります。名前を知っているスクールが登録団体かどうかも、ここで確認できます。

TESOL・TECSOLは、国内だと大きく3つの入口があります。

大学・大学院で学ぶ

英語教育や英語教授法を扱う課程で、TESOLの領域を体系的に学べます。学位が出るぶん時間も費用もかかりますが、証明としてはいちばん強くなります。

オンラインのコースを受ける

海外の語学学校や教育機関のコースを、日本にいながら受けられるものがあります。修了証の発行元と時間数は、申し込む前に確認しておきたいところです。

国内の民間スクールで受ける

児童英語の指導者養成を掲げるスクールが、TECSOL相当のコースを開いていることがあります。J-SHINEの登録団体を兼ねている場合もあります。

留学とセットで取る

オーストラリアやフィリピンの語学学校が、4週間前後のコースを留学商品として販売しています。渡航費と滞在費が別にかかるので、国内のコースと総額で比べることになります。

なお、J-SHINEの正資格には「英語で授業が行えること」という要件があります。

指導法より先に英語力そのものを上げる段階なら、英語・語学が学べる学校から探す方法もあります。

費用と時間をどう見るか

講座の費用は提供団体ごとに違う

J-SHINEは登録団体が講座を開く仕組みで、価格はその団体が決めます。同じ資格でも通信・通学・留学で幅が出るので、複数の団体の料金表を並べてから決めると差が見えます。

50時間の指導経験をどこで積むか

正資格には50時間の指導経験が要ります。講座の中に実習が組み込まれているか、自分で教える場を探す必要があるかは、団体によって違います。申し込む前に確認したいところです。

更新が必要かどうか

資格には更新の仕組みがあります。取得後にかかる費用も含めて見ておくと、あとで想定外になりません。

資格より先に決めたほうがいいこと

英語を教える仕事は、対象年齢と場所で必要なものがきれいに分かれます。先に決めるほど、無駄な出費が減ります。

学校の中か、外か

学校の正規の教員を目指すなら教員免許が必要で、民間資格はその代わりになりません。教室やプリスクールで教えるなら、免許より指導経験が見られます。

日本国内か、海外か

日本ではJ-SHINEの名前が通りやすく、海外の語学学校ではTESOL系が求められます。働く場所によって、評価される資格が入れ替わります。

対象は何歳か

未就学児・小学生を教えるならJ-SHINEやTECSOL、中高生や大人ならTESOLの範囲です。年齢によって学ぶ指導法が変わります。

その資格を誰が発行しているか

特にTESOLは発行元によって中身がまったく違います。大学院の学位なのか、4週間のコースなのかを、パンフレットの言葉ではなく発行元の名前で確認できます。

まとめ

  • 正規の教員にはなれない:3つとも民間の認定。学校の先生には教員免許が必要
  • 免許なしで教壇に立つ道:特別非常勤講師。ただし教科の一部で、任用するのは教育委員会
  • J-SHINE:要件は指導経験50時間と英語での授業。経験を示す材料として使われている
  • TESOL・TECSOL:資格名ではなく分野名。大学院の学位から4週間のコースまで幅がある
  • 場所で決まる:日本の教室ならJ-SHINE、海外の語学学校ならTESOL系
  • 外国人講師とは:学校では役割が分かれていて競合しない。民間の教室では同じ枠に並ぶ

次にやること — 気になっている講座の説明会で、「50時間の指導経験は、この講座の中で積めますか」と聞いてみてください。講座内で実習まで用意している団体と、修了後に自分で場所を探す団体があり、その差が資格取得までの期間をいちばん左右します。

※教員免許と専科教員の制度は文部科学省の教員免許状に関するQ&A、特別非常勤講師の制度は学校における外部専門人材の活用についてによります。J-SHINEの資格要件はJ-SHINE公式サイトの記載に基づきます。講座の費用や実習の有無は提供団体ごとに異なるため、最新の条件は各団体の募集要項で確認できます。

スポンサーリンク