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中学受験か高校受験か|都立の「オール4」は調査書点240点、オール5との差は学力検査43点分

都立高校の合同説明会に行って「都立でいいかもしれない」と思ったあと、進学指導特別推進校はオール4では足りないらしい、という話にぶつかった保護者へ。都立入試の1020点の内訳と、換算内申を実際に計算しました。実技4教科が2倍される仕組み、私立の併願優遇でオール4がどの位置にあるかまで並べています。

#中学受験#高校受験#内申点#都立高校#併願優遇

都立高校の合同説明会に行くと、「都立でいいかもしれない」と思えてきます。

家に帰って調べ直すと、今度は別の話にぶつかる。進学指導特別推進校は、中学でオール4では足りないらしい、と。

小学5年生の保護者がこれを読むと、中学受験に切り替えたほうがいいのか分からなくなります。

先に書いておくと、合格ラインを公表している都立高校はありません。東京都教育委員会も出していません。

なので「オール4で足りるか」に答えられる人は、どこにもいない。

計算できるのは、通知表が入試で何点になるかだけです。そこは公表されている式で出せます。

この記事では「オール4」を、9教科すべてが4という意味で使います。

都立の合否は1020点で決まる

令和8年度(2026年度)の一般入試(第一次募集)は、次の3つを足した総合得点で判定されます。

都立高校の一般入試(第一次募集)の総合得点1020点の内訳

学力検査は5教科500点満点を1.4倍して700点に直します。

単位:点

学力検査(5教科500点を1.4倍)

調査書点(通知表の評定から計算)

英語スピーキングテスト(ESAT-J)

※出典: 東京都教育委員会「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目」(2025年9月25日)。全日制課程・学力検査に基づく選抜の場合。

学力検査と調査書の比率は7対3です。当日の点数のほうが重い、という配分になっています。

問題は、その300点をどう作るかです。

調査書点は、実技4教科を2倍して作る

計算は2段階に分かれます。

まず換算内申を出します。5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の評定は、そのまま足す。

実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定は、2倍して足す。

5教科+実技4教科×2で13教科ぶん。5段階なので65点満点です。

次に300点へ直します。換算内申 × 300 ÷ 65(小数点以下切り捨て)。

東京の場合、この計算に使われるのは中学3年生の成績だけです。中1・中2の評定は入りません。

オール4は240点、オール5は300点

式に入れてみます。

通知表のパターンべつの調査書点(300点満点)

9教科すべて4なら240点。すべて5の300点との差は60点です。

単位:点

9教科すべて3(換算内申39)

5教科すべて5・実技すべて3(換算内申49)

9教科すべて4(換算内申52)

5教科すべて5・実技すべて4(換算内申57)

5教科すべて4・実技すべて5(換算内申60)

9教科すべて5(換算内申65)

※換算内申 × 300 ÷ 65(小数点以下切り捨て)で計算。実技4教科は音楽・美術・保健体育・技術家庭で、評定を2倍して数えます。

オール4とオール5の差は60点。

この60点を、当日の点数に置き直します。学力検査は1.4倍されるので、60を1.4で割って約43点。

5教科の合計で43点、1教科あたり8.6点です。

その43点がどれくらいかは、平均点と並べると見えます。令和8年度の共通問題の5教科合計平均点は323.1点でした。

令和8年度 都立高校入試(共通問題)の教科別平均点

5教科の合計は323.1点。500点満点の約65%にあたります。

単位:点

国語

理科

英語

数学

社会

※出典: 東京都教育委員会「令和8年東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査について」(2026年6月25日)。2026年2月21日実施、共通問題で受検した者が対象。

平均が323.1点の試験で、内申の差が43点ぶん先に付いている。

「オール4では足りないかもしれない」と言われているのは、この形のことです。

実技の評定1つは、5教科の2つ分

もう一度、換算内申の作り方を見ます。2倍されるのは実技4教科だけでした。

評定を1つ上げたときの効き方が、そこで変わります。

  • 5教科の評定を1つ4から5にする:換算内申+1 → 調査書点+4点
  • 実技の評定を1つ4から5にする:換算内申+2 → 調査書点+9点

先ほどの表に、極端な例を2つ入れてあります。

5教科がすべて5でも、実技がすべて3なら226点。5教科がすべて4で実技がすべて5なら、276点。

5教科の成績で負けているほうが、50点上です。

「オール4では足りない」と言われているものの正体は、5教科の話ではなく実技4教科の話です。

ちなみにESAT-Jの20点は、実技の評定2つぶん(18点)とほぼ同じ重さになります。

7校は、同じ入試ではない

進学指導特別推進校は7校です。小山台・駒場・新宿・町田・国分寺・国際・小松川。

指定期間は2025年4月1日から2030年3月31日までの5年間と決まっています。

同じ肩書きですが、当日の問題は3つに分かれます。

一般入試の学力検査の問題
新宿・国分寺国語・数学・英語が自校作成(進学重視型単位制)
国際英語が自校作成
小山台・駒場・小松川・町田5教科とも共通問題

先ほどの平均点323.1点は、共通問題を受けた人の数字です。新宿と国分寺の入試には当てはまりません。

「進学指導特別推進校を目指す」というくくりでは、準備の中身が決まらない、ということになります。

推薦は、内申だけでは決まらない

内申が高いなら推薦で、という道もあります。ここも配分が決まっています。

都立の推薦入試の枠は、普通科で募集定員の20%以内(コース制は30%)。

調査書点が総合成績に占める割合は50%以下と決められていて、多くの学校が上限の50%を採っています。

残りは個人面接と、作文または小論文。集団討論を行う学校もあります。

内申が高いほど有利ではありますが、内申だけで決まる入試ではありません。

同じオール4が、私立では真ん中

私立側も見ておきます。

Eduriaは首都圏の私立高校230校の推薦・優遇入試の出願基準を台帳に取り込んでいます。

5教科の合計で示された基準923件の中央値は、20点でした。

5教科がすべて4なら届く高さです。

  • 単願に切り替えて下がるのは、5教科の合計で1点
  • コースを1つ下げると、3点

集計の中身は私立高校の内申基準、単願にすると何点下がる?にまとめてあります。

同じオール4が、私立の併願優遇では真ん中の位置で、都立の上位校では60点の差を背負う位置になる。

併願優遇そのものは公的な制度ではなく、学校ごとの運用です。名称も条件も学校によって違います。

中学受験にも報告書はある

「内申から離れたいから中学受験」という考え方があります。都立の中高一貫校を候補に入れるなら、その前提は成り立ちません。

都立の中等教育学校・中学校の入学者決定は、小学校長が出す報告書と、適性検査・作文・面接などを組み合わせて行われます。

報告書は点数化されて総合成績に入り、比率は学校ごとに違います。

小学校の通知表が入試に入るという点では、都立中も同じです。

配分は東京都教育委員会の入試案内等から、各校の実施要綱で公表されています。

小学5年生の今、決められること

ここまでの数字は、すべて中3の通知表の話です。

東京の一般入試に使われるのは中3の成績だけなので、小5の通知表から逆算できることはほとんどありません。

つまり、内申を材料にして今この時期に中学受験か高校受験かを決めることはできない、ということになります。

代わりに比べられるのは、いつ何で評価されるかの違いのほうです。

中学受験高校受験(東京)
入試に使う成績都立中は小学校の報告書。私立中は当日の学力試験が中心中3の評定。実技4教科は2倍
結果が出る時期小6の2月中3の2月
その次の入試高校受験がもう一度ある次は大学受験
当日と書類の比重学校ごとに違う学力検査700・調査書300・ESAT-J20

中学受験で第一志望に届かなくても、高校受験がもう一度あります。高校受験の次は大学受験です。

やり直しの機会がどこにあるかは、内申の点数より先に決められる材料だと思います。

学校を見る順番や、見学で何が分かるかは中3の夏休みにやる学校選びで整理しています。

内申点の数え方が都道府県でどう違うかは内申点の計算方法が都道府県で違う理由にあります。

神奈川・埼玉・千葉の計算は、神奈川県・埼玉県・千葉県それぞれの記事で同じように実数に直しています。

まとめ

  • 合否は1020点:学力検査700・調査書300・ESAT-J20
  • オール4は240点:オール5は300点。差は60点
  • 60点は学力検査43点分:5教科合計平均323.1点の試験での43点
  • 実技は2倍:実技の評定1つは、5教科の2つ分
  • 東京は中3だけ:中1・中2の評定は一般入試の計算に入らない

次にやること — 気になっている都立高校を1校だけ選んで、東京都教育委員会の入試案内でその学校の選抜方法を見てみてください。共通問題か自校作成かで、そこから先の準備が変わります。

※選抜方法・配点は年度ごとに変わります。最新の内容は東京都教育委員会の都立高等学校 入試案内等で公表されます。進学指導特別推進校の指定は進学指導重点校・進学指導特別推進校・進学指導推進校、学力検査の平均点は令和8年東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査についてにあります。

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