通信制高校に偏差値がないのはなぜ?ランキングが見つからない理由と、代わりに見る4つの軸
「通信制高校の偏差値ランキング」を探しても出てこない、成績が悪くて入れるか不安、という人へ。通信制高校に偏差値がそもそも存在しない理由と、代わりに何を見て学校を選べばいいのかを、実際の入学審査の中身から整理しました。
「通信制高校 偏差値」で検索して、ランキング表が出てこないまま似たようなページを何度も開いていませんか。
全日制を偏差値で並べて比べてきた人ほど、ものさしが急に無くなって手が止まります。成績が振るわないことを気にして調べていた場合はなおさらです。
先に結論を書くと、通信制高校のほとんどに偏差値はありません。
情報が足りないからではありません。偏差値という数字が生まれる仕組みが、通信制高校の入学審査に無いからです。
つまり「今の成績では届かない」という心配は、この進路に関してはほぼ当てはまりません。
ただ、代わりに何を見て選ぶかという問題は残ります。そこを整理します。
偏差値がないのは、学力で競争させる選抜をしていないから
偏差値は、限られた定員を学力試験の点数で割り振る場面で生まれる指標です。定員より志望者が多く、点数で線を引くからこそ「合格ライン」ができ、数値になります。
通信制高校の多くは、この前提そのものに当てはまりません。試験の内容は書類審査・面接・作文が中心で、点数による足切りを行う学校はまれです。
筆記試験を課す学校でも、国語・数学・英語の3教科程度にとどまり、合否を分けるほど厳しい配点にはしていないケースがほとんどです。
公立の通信制高校では学力検査を実施する地域もありますが、それでも全日制のような競争選抜というより、学習を続けていけそうかを確認する「受け入れるための試験」という性格が強くなります。
Eduriaに掲載している通信制高校322校を見ても、偏差値データが入っている学校は1校もありません。
全日制・大学のページで表示している偏差値の欄は、通信制高校では最初から空欄になる仕様です。
実際の入学審査で見られる3パターン
書類選考のみ
志望理由書・作文程度が中心。私立の広域通信制に多く、定員割れの学校ではほぼ全員が合格する
書類+面接
学力ではなく、通学の続けやすさ・学習への意欲・生活リズムを確認する場。私立通信制で最も多いパターン
書類+面接+簡単な筆記試験
国数英3教科程度が一般的。一部の公立・伝統校に見られるが、点数だけで不合格にする運用はまれ
どのパターンでも、見られているのは「今の学力」ではなく「入学後にやっていけそうか」です。
極端に成績が悪いからといって門前払いされる学校は少数派です。内申点を気にして志望校を諦めなくていい世界だ、ということです。
逆に、「面接だけだから誰でも受かる」と油断していると、通学意欲が伝わらずに落ちる例もあります。
準備が要るのは学力ではなく、なぜここに通いたいかを自分の言葉で言えるかどうかのほうです。
偏差値の代わりに見る4つの軸
偏差値が無い以上、学校選びのものさしは別のところに置くことになります。実際に差がつくのは、次の4つです。
登校頻度
オンライン中心・年数日のスクーリングのみ・週1・週3・週5と、同じ学校の中でもコースで分かれます。ここが生活リズムをそのまま決めるので、いちばん先に決まっていると候補が絞れます。
サポート体制
レポートが止まったとき誰が気づくか、という部分です。担任がつくのか、質問はいつでもできるのか。学校本体とサポート校で役割が分かれている場合もあります。
転入・編入の受け入れ時期
私立の広域通信制は随時受け付ける学校が多い一方、公立や一部の私立は学期の区切りだけです。学年途中で動きたいなら、ここが最初の条件になります。
学費
公立と私立、さらに私立どうしでも幅があります。就学支援金がいくら出るかで、実際に払う額はかなり変わります。
この4つは、どれも学校のサイトか募集要項に書いてあります。偏差値のように1つの数字で並べられない代わりに、自分の条件と照らせば答えが出る項目でもあります。
それぞれ、サポート校との違い、通信制高校への転入ガイド、通信制高校の就学支援金で個別にまとめています。
出願前に確かめておきたい3つのこと
学校を絞ったあと、出願の段階で引っかかりやすいのが次の3つです。
- 在住地域の制限:公立通信制高校は都道府県内在住が条件になっていることが多く、私立の広域通信制より対象範囲が狭くなりがちです
- 推薦の要否:中学校長の推薦を求める学校があります。必要な場合、中学校側の手続きが挟まるので早めに分かっているほど楽です
- 定員に対する応募状況:書類選考のみの学校でも、定員を超える出願があれば不合格になることがあります。人気の高い学校ほど「入りやすい」とは限りません
「入りやすい」と「自分に合う」は別の話
入学のハードルが低いことと、卒業まで続けられるサポートがあることは、別の問題です。
書類選考だけで入れる学校を「楽だから」で選び、サポート体制を見ないまま進学すると、学習が続かず在籍だけの状態になることがあります。
通信制高校に落ちることはありますか?
あります。書類選考・面接が中心のため合格率は高い傾向にありますが、定員を超える出願がある人気校では不合格になることがあります。また面接で通学意欲が伝わらなかった場合に不合格となるケースも報告されています。
成績が悪くても通信制高校に入学できますか?
多くの学校では成績そのものより、通学・学習を継続できそうかを重視した選考を行っています。ただし一部の公立・伝統校では簡単な学力検査を課す場合があるため、志望校の入試方法だけは先に見ておきたいところです。
偏差値の代わりに何で学校のレベルを判断すればいいですか?
「レベル」という発想自体を、通信制高校選びではいったん外したほうがうまくいきます。代わりに使えるのが、この記事で挙げた登校頻度・サポート体制・転入の受け入れ時期・学費の4つです。
自分に合う通信制高校を診断で絞り込む
偏差値で比較できない分、通信制高校選びは「自分に合うかどうか」が判断基準になります。通信制高校かんたん診断では、いくつかの質問に答えるだけで自分に合いそうな学校とその理由がわかります。地域から探したい場合は通信制高校一覧からどうぞ。
通信制高校の仕組みそのものから知りたい場合は通信制高校とは?全日制との違い・メリット・学費を解説にまとめています。
まとめ
- 偏差値が無い理由:学力の点数で競争選抜する仕組み自体が無いから
- Eduria掲載校:322校のうち、偏差値データが入っている通信制高校は0校
- 審査の中身:書類のみ/書類+面接/書類+面接+簡単な筆記の3パターン
- 見られているところ:今の学力ではなく、入学後に続けられそうか
- 代わりに見る4軸:登校頻度・サポート体制・転入の受け入れ時期・学費
次にやること — 気になっている学校を1つだけ選んで、募集要項の「選考方法」の欄を読んでみてください。書類だけなのか、面接があるのか。そこが分かれば、この先やることは一気に絞られます。
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