子どもが「学校に行きたくない」と言ったら|COCOLOプランで変わった学びの選択肢
「学校に行きたくない」と子どもに言われて、何をどう考えればいいか分からなくなっている保護者へ。国の方針(COCOLOプラン)が学校復帰以外の道をどう認めているか、選択肢ごとの費用、最初に連絡する窓口を整理しました。
子どもが「学校に行きたくない」と言った日から、頭の中は「どうすれば戻れるか」でいっぱいになると思います。
休ませていいのか、無理にでも行かせるべきか、このままだとどうなるのか。誰にも聞けないまま、朝がくるたびに判断を迫られる。
まず知っておいてほしいのは、国の方針のほうが変わっているということです。
文部科学省が2023年3月に取りまとめた「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」、通称COCOLOプラン。
従来の「学校復帰」を最優先する発想から、「学びへのアクセス」そのものを保障する発想への転換を掲げています。
学校に戻ることをゴールに固定せず、その子に合った学びの場を確保する。目標のほうが置き直されました。
つまり、いま抱えている「戻さなければ」という前提は、制度の側ではもう外れています。

出典: 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」(2026年7月時点のキャプチャ)
同ページでは2026年7月、具体的な学校の取り組みをまとめた「COCOLOプラン取組事例集」も公開されました。
理念だけでなく実際にどう運用されているかは、こちらに載っています。
不登校は12年連続で増加、ただし増加率は鈍化
文部科学省の令和6年度調査によると、小中学校の不登校児童生徒数は353,970人で、12年連続の増加となり過去最多を更新しました。
児童生徒1,000人あたり38.6人という数字です。
ただし前年度の増加率15.9%に対し、今年度は2.2%と伸びは大きく鈍化しており、新たに不登校になった生徒数(153,828人)は9年ぶりに減少しています。
増え続けてはいるものの、ペースには変化の兆しが見えます。
小中学校の不登校児童生徒数の推移
単位:万人
出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
1,000人あたり38.6人ということは、40人学級におよそ1.5人。特別なことが自分の家だけに起きているわけではありません。
一方で見過ごせないのは、学校内外で専門的な相談や指導を受けられていない児童生徒が約13万6千人にのぼるという数字です。
3人に1人以上が、どこにもつながれていない。COCOLOプランが「学びの場の確保」を掲げる背景には、この空白の大きさがあります。
COCOLOプランの3つの柱
COCOLOプランは、学びの場の確保と環境整備、早期発見と支援体制の構築、学校風土の改善という3つの柱で構成されています。
学びの場の確保と環境整備
不登校の子ども向けに特別な教育課程を編成する「学びの多様化学校(不登校特例校)」を全国84校まで拡大(2026年4月時点)。校内の空き教室を居場所にする「校内教育支援センター」も公立小中学校の46.1%に設置(2024年7月時点)。
早期発見と支援体制の構築
1人1台端末を使って子どもの心の状態や生活リズムの変化を把握。学校だけで抱え込まず、福祉とも連携する「チーム学校」での支援体制づくりを進める。
学校風土の改善
学校を「みんなが安心して学べる」場所にする取り組み。学校風土の見える化、いじめ等への毅然とした対応、児童生徒が参加する校則の見直しなどを進める。
校内教育支援センターが公立小中学校の46.1%にあるというのは、「教室には入れないけれど学校の建物までは行ける」という状態に居場所が用意されつつある、ということです。
全か無かではない選択肢が、実際に増えています。
学びの選択肢を費用感つきで比較する
COCOLOプランが目指す「学びへのアクセス」を、実際の選択肢に置き換えると次のようになります。
| 選択肢 | 特徴 | 費用感の目安 |
|---|---|---|
| 教育支援センター | 教育委員会が設置。学校復帰支援を中心に相談員が対応 | 無料が中心 |
| 校内教育支援センター | 在籍校の空き教室等を活用し、学校に在籍したまま教室以外で過ごす | 無料(学校の一部) |
| フリースクール(民間) | 学校外の民間施設。多様な理由に応じた学び・体験の場 | 月謝相場は平均約33,000円、入学金1万〜5万円程度 |
| 通信制高校 | 高校段階の正式な学校制度。レポート・スクーリング・テストで単位を修得 | 公立は年1〜5万円、私立は年30〜65万円程度 |
| ICT等を活用した自宅学習の出席扱い制度 | 校長の判断で、自宅学習を出席扱いにできる制度 | 学習教材・オンラインサービスの費用のみ |
数字はいずれも調査時点のもので、自治体独自の助成が上乗せされることもあります。
たとえば東京都は、フリースクールを利用する小中学生を対象に月額最大2万円の助成を実施しています。
住んでいる自治体によって実質の負担額はかなり変わるので、表の金額はあくまで出発点です。
近くにフリースクールがない、まだ外に出るのが難しいという場合は、自宅から参加できるオンラインフリースクールもあります。
出席扱いになる条件や選び方は、そちらにまとめています。
まず連絡する先
「うちの子は不登校かもしれない」と感じた段階で、連絡する相手はそれほど多くありません。
在籍校の担任かスクールカウンセラー、そして市区町村教育委員会が設置する教育支援センターです。
どこに相談すればいいか分からないときほど、学校か教育委員会に一本連絡を入れるのが、選択肢を知る一番の近道になります。
相談したからといって、その場で何かを決めさせられるわけではありません。
まとめ
- 国の方針:ゴールは学校復帰ではなく「その子に合った学びの場」
- 人数:小中学校で353,970人。1,000人あたり38.6人
- 空白:約13万6千人がどこの相談・指導にもつながれていない
- 選択肢:教育支援センター、校内の居場所、フリースクール、通信制高校、自宅学習の出席扱い
- 費用:無料の窓口から年30万円超まで幅がある。自治体の助成で変わる
次にやること — 在籍校の担任かスクールカウンセラーに、「教室以外に通える場所があるか」を一度聞いてみてください。校内教育支援センターは公立小中学校の46.1%にあり、転校も退学もせずに使える場所です。
高校段階の学び直しを具体的に考える段階なら、通信制高校とは?全日制との違い・メリット・学費を解説もあります。
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